よし、始まった。始めてやった。何がって、この文章が。
ALTSLUMで何か書きたいな、と思ってから、6時間ぐらいたった。朝の9時ぐらいに思っていたから、多分そう。いまは17時半だから計算してみたら違ったけど、それはどうでもいい。
そう、どうでもいいことを書きたかった。いや、もっと正確にいうなら、役に立つことを目的としない文章を書きたかった。
私は大学生の頃から、つまりだいたい6年ぐらい前から、「自分は誰かの役に立たなきゃいけない」というバイアスを強く持ち続けてきた。幼いころから内面化されてきた優生思想を、大学在学中に再発したうつがより強めたのだ。
それは大学を中退し、むかつくほどゆっくり、うつの症状が緩和されるにしたがって「誰かの役に立つことは悪いことじゃなはずだ(だから誰かの役に立ちたい)」に変化していった。自分の存在に「意義」を感じたいという欲望を強く持つ私は(そしてこの欲望はインターネット上にある私のアカウントのプロフィールの「生きるは抵抗」というモットーからわかるように今も強くある)、他者(というより、いるはずのない自分のクローン)の役に立ちたくて、約束の時間に間に合いたいと思っている他者のために「約束の時間に間に合いたい」(https://altslum.com/2022/09/14/yakusoku/)を書いた。記事が発表されたあと、その記事を読んだという他者から反応をもらうことができた。
で、次は虚無感を無視して生活を続けたいと思っている他者のために「もうダメだけど生活したい」を書こうとしていた。
だけど、書き終わらない。というか書き進まない。「役に立つ」文章が出てこない。誰もがそれをツールとして使おうと思えば使える取扱説明書みたいに書けない。あまりに書けないから、その文章のなかで「役に立たないだろうけど書く」と書いてみたけど、役に立とうと思わなければ「もうダメだけど生活したい」の文章は書こうと思えなかった。だって、虚無感を無視するための方法はもう私の頭の中にはあるんだし。書く行為がいつも殊更すきってわけじゃない。ていうかそれってウソだし。めっちゃ役に立ちたいと思ってるし。相手を笑かすため以外に、自分のことでウソつきたくないんだよな。
それでしばらく、何も書かずに、というか何も書けずにいた。
だけど今日は朝から書きたかった。もう役に立たなくてもいいから書きたい。「書く行為がいつも殊更すきってわけじゃない」とはいったけど、いまはすきなときだ。
多分、「役に立つ」という鎧なしに、文章を書いたり、それをALTSLUMに載っけてもらったりするのが怖かったんだろうな。
でも、いまは怖くない。で、それがなんでかとかも考えない。ここまで書いて、今日はもう満足してる。