「塩梅を探る」第0回

はじめまして。柿内正午(かきないしょうご)と申します。

ALTSLUM にて月イチ連載を始めようと思います。理由は「連載ってなんか格好いいから」です。

本連載では日々の些事や、本や映像などのコンテンツをとっかかりにしたりしなかったりして、その時々の「ちょうどいい塩梅」を考えていきます。

まずは「こんな連載にするぞ」という声明文をどうぞ。

■ステートメント

「声がデカかったりスマートだったりする個人が他をぶっちぎっていくような独裁は嫌だ。じっくり話し合うことでメンバー全員が納得のいく共同体を作り上げていこう。」

アナーキーな優しさを社会に実装するには根気強さや気前の良さが必要だ。

けれども、せっかちで面倒くさがりな自分は、とりあえず直感で走り出し、走りながら修正していきたいと思ってしまう。そういう性分なのだ。

そもそも合議というのは提議する人がいて初めて発生するわけで、提議するための準備のコストは非常に膨大だ。提議する元気があったらその元気でさっさと実装に動きたい。実装されつつあるものに対してツッコミを入れるほうが、他の人たちとしても楽チンなんじゃないかと思っている。けれども、そうしたあり方は中央集権的な偏差や、能力主義的な嫌さを産み出してしまいかねないというのもわかる。わかるんだけれど、走り始めてみないと自分でもよくわからないし、走る前に走る準備をしていると、その時間のダルさに冷めちゃうんだよなあ……

遅さと速さ。清と濁。資本主義と個人の倫理。大きなものと小さなもの。全ての判断は常に個別具体的で、両極のあいだのどこかに、据わりが悪いまま暫定的になされるものだ。

どっちつかずで、どうしても拙速で、それでもなるべくよりマシな場所や生活を実現するための試行錯誤をやっていきたい。

あらゆる原理になるべく偏らない、個人の現在地の感覚を言語化してみる試みを。