2020年、何かベストだと言えるものなんてあったんだろうか。そもそも2020年ワーストを更新しつづけたきらいまである。分からない。宇宙人の目を通せば、いつも地球は厳しいから。その2020年の毎日をただただ何とか「こなす」ことだけで繋げてきた。誰かが「新しい日常」と白々しく名付けた明日も変わらずここにあるための生活を、それなりに必死で。きっとそこに異邦人か否かで大きな差異はないんじゃなかろうか。
 さて昨年私は「会社員」という存在をギリギリこなしてきたわけだが、その生活の中で“outfit”は多少重要であったので、2020年に購入し私の輪郭を支えたものを少し振り返ってみることにする(地球上の日本というところで一般的な会社員に課されるビジネスマナーとやらは宇宙人が知ったことではないので、それに準じたものではない)。


【トップス部門】

アルパカ混モヘア素材、クルーネックノルディックニット

 冬服はすこしたのしい。冬服はふわふわもふもふしている。物理的にふわふわもふもふになれる。私が持っている服の中で最もふわふわもふもふなのがこのニットである。しかも肉厚なニットにありがちな質量がない。地球の重力に負けがちな冬にこれはうれしい。そしてめちゃくちゃあたたかい。C!C!C!#081でも語られたことだが、あたたかさは重力が強まる冬(と私は信じている、それくらい身体が動かない)を乗り越えるために不可欠な要素でもある。気球は熱でもって重力に逆らうのだから。
 ただし、このニットを着るとインナーに繊維がつきがちだ。しょうがない、ふわふわもふもふだから。これは宇宙の真理。



【ボトムス部門】

ほどよく股上深めのワンウォッシュストレートデニム

 言うまでもないが、めちゃくちゃ合わせやすい。めちゃくちゃ合わせやすい。言うまでも無いのに2回言った。何年か前に同じお店で購入したデニムを気に入って穿いていたのだが、ここ1~2年で激しく体重が変動してサイズが変わってしまったため似たシルエットのものを購入。前回のデニムは海比古比女という名前だったけど今回は空比古比女という名前らしい。めちゃくちゃ以下略で年中穿けるので、前回同様かなりヘビーローテーションになると思われる(最近だと上記のニットとよく合わせる)。解れや出たり穴が空いたりしたらお直しを受け付けてくれるお店なので、地球に寄生する限りは末永くよろしくお願いしたい。



【バッグ部門】

ポケットがとにかく多い仕事用黒バックパック

 ポケット、ざっと数えて12はあった(というか改めて数えたら今まで認識してなかったものすらあった)。ビスケットが12枚は入るということだ、叩いたらもっと増えるかもしれないが。財布を無くしたと思って他人を巻き込みながら手当たり次第に探していたら結局このバックパックの普段使わないポケットから出てくる、ということがままある。仕事柄荷物が多くなるが、小旅行ができるくらいにはモノが入る。背中や肩との接触面にはしっかりクッションが入っているので、荷物が重くなってもつらくない……は言い過ぎだけども多少楽ではある、気持ち的に。



【靴部門】

ランニングに使えなかったランニングシューズ

on / Cloud, Black | White
(この靴が冬眠中につき手元にないのでURL)

 2020年こそランニングを始めるぞ、と意気込んで買ったonというスポーツブランドのランニングシューズ。最初に足を入れたとき、踏み出しがとても軽く勝手に足が進む心地すら覚え、これがランニングシューズか……!と感動した。ただしランニングは全く始められなかった。2021年こそ始めたい。仕事忙しい。むりそう。はたらきたくない。
 結局タウンユースで活躍しているこのスニーカー、NIKEやAdidasに比べてロゴが主張しないので使いやすい。あと、めちゃくちゃ通気性がいいから寒いときに履くと足の指あたりがスースーする。なので最近履いてない、冬眠中。

 

 

 ところで、「私はここに存在してもよいのだ」という感覚がとても薄い。でもここにいるしかないのだ。外界と自己存在の狭間は常にぎこちなくてきまりが悪い。例え同じ容器に入れられても、比重が違うから分離してしまう。たとえばこの段落はここで使われている言語を使っているはずだが、It doesn’t make sense to you, does it? ぎこちなさやきまり悪さを耐えてここに存在しつづけるということをこなしてきた。私の場所ではない空間を私の身体の体積分占有して、存在するというタスクをだ(それも「会社員」というなじみのいい姿で)。外界と自己存在の狭間というのは物理的には私の身体だ。ぎこちなさやきまり悪さを自分にとって心地の良いもので覆う。好きなものを組み合わせて居心地の悪い四肢を通したら、よりどころのない不安定な自分のfigureを再構築できる気がする。散っては浮遊する私の存在をかき集めて、一つに繋ぎ合わせて、そうして外界に対峙するのだ。

 明日も確かに私はここにある。2021年、なるべくそうでありたい。

  1. discord上で1月23日開催、現在記事準備中